2022年2月6日日曜日

動詞(3)可能動詞

 



◆動詞(3)‐可能動詞‐



1. 可能動詞とは?

「~することができる」という可能の意味をふくむ動詞があります。
これを「可能動詞」といいます。

たとえば、「書ける・話せる・行ける・走れる」などです。


可能動詞は「五段活用の動詞」から作られます。

だから、かならず対応する五段活用の動詞があります。

【例】
・書く(五段活用)→ 書ける(可能動詞)

・話す(五段活用)→ 話せる(可能動詞)

・走る(五段活用)→ 走れる(可能動詞)




2. ら抜きことば

近年、というか、じつはかなり前から、この可能動詞からの類推で、いわゆる「ら抜きことば」という動詞が使われています。


たとえば、「見れる」「出れる」「来れる」などです。

これらは、それぞれ「見ることができる」「出ることができる」「来ることができる」という意味で使われていることと思います。

そういう意味では可能動詞と同じ用法だと言えますが、上の各語には対応する五段活用の動詞がありません。

ですから、規範に合わせると、これらの語は間違いとなります。


・見る(上一段活用)→ ×見れる

・出る(下一段活用)→ ×出れる

・来る(カ変格活用)→ ×来れる


これらの語は、本来は可能の助動詞「られる」をつけて、

【正しい例】

・見られる

・出られる

・来られる


とするべきなのです。

ところが、「ら」を抜かしてしまったのです。



近年、かなり広まっていて、口語ではもはや普通に使われるといってもいいでしょう。

しかし、文法的には誤りですから、作文を書くときなどには使わないのが安全です。





3. 可能動詞の見分け方

「可能動詞」なのか、「ら抜きことば」なのか、簡単に見分ける方法をお知らせします。



【可能動詞の公式】
 命令形 + る = 可能動詞





たとえば、「書く」を可能動詞にするばあい、

上の公式に当てはめると、

・「書け(命令形)」+「る」= 書ける


となります。



いっぽう、「見る」「来る」などをこの公式に当てはめると、


・「見ろ(命令形)」+「る」= 見ろる

・「来い(命令形)」+「る」= 来いる


となり、成り立ちません。

「見れる」は、「見れ+る」

「来れる」は、「来れ+る」

となり、おかしな日本語になってしまいます。




迷ったときには使ってみてください。





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