口語文法の学習における重要なことばの単位として「文節」があります。
今回はこの「文節」の区切り方と注意点についてご紹介しましょう。
◆文節とは?
文節とは、文を組み立てる単位のひとつで、文を読むときに自然な発音によって区切られる最小の単位です。
たとえば、「私は昨日公園で桜を見た。」という文を文節に分けると、
私は / 昨日 / 公園で / 桜を / 見た。
と、五文節に分けられます。
文節の型には次のふたつがあります。
・一つの自立語だけからできている文節
・一つの自立語に、一つ または複数の付属語がついてできている文節
文節には、かならず一つの自立語が必要です。
つまり、付属語だけでは文節はつくれないということです。
※自立語とは、それだけで独立した意味をもつ単語で「動詞・形容詞・形容動詞・名詞・代名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞」のこと。
※付属語とは、単独では意味をもたず自立語について意味を付け加えたり関係をあらわしたりする単語で「助動詞・助詞」のこと。
文を文節に区切ることが口語文法を理解するうえでとても重要です。
◆文を文節に区切るには
文を文節に区切るには、
「ネ」などの助詞を入れて読んでみる
のが簡単です。
【例】
私は昨日公園で桜を見た。
↓
私は(ネ)昨日(ネ)公園で(ネ)桜を(ネ)見た。
どうです、簡単でしょう?
文節はもともと音声上の区切りがめやすになっています。
ですから、発音してみて自然に切れるところに入る助詞の「ネ」を入れるのが有効なのですね。
◆文節を区切るときの注意点
文節は「ネ」で簡単に区切れるのですが、次のばあいは注意が必要です。
⑴ 複合動詞は二文節にしない
「勉強する」という語は、もとは
「勉強(名詞)」+「する(動詞)」
=「勉強する(動詞)」
というようにしてできた複合動詞です。
「勉強する」で一単語あつかいです。
ですから、
× 勉強 / する
というように、二文節に分けてはいけません。
「勉強する」で一文節です。
もとは二単語だったためか、「勉強」と「する」とに分ける間違いが時々見られます。
注意しましょう。
⑵ 「ようだ」「そうだ」だけでは一文節にならない
助動詞の「ようだ」「そうだ」を含む文節を
× 帰る / ようだよ
× 来る / そうだよ
と二文節に区切る間違いを時々見かけます。
「ようだ」と「そうだ」は、ともに助動詞、つまり付属語です。
付属語はそれだけでは文節をつくれないので注意しましょう。
これは、「ようだ」が、「よう(様)」+「だ」、「そうだ」が、「そう(相)」+「だ」からできた語であり、「よう(様)」「そう(相)」がもとは名詞(自立語)だったため、「ようだ」「そうだ」だけで一文節だとみなしてしまうことが原因だと考えられます。
⑶ 補助語は一文節になる
「歩いている」や「食べてみる」などの「いる」「みる」を補助語といいます。
補助語は前の文節の意味を補うはたらきをしていて、その語自体の意味は薄くなっています。
そのためか、これを「歩いている」「食べてみる」で一文節とみなす間違いを時々見かけます。
しかし、「いる」も「みる」も一語の動詞で自立語です。
一つの文節に自立語は一つしか含まれません。
〇歩いて / いる
〇食べて / みる
と二文節に分けましょう。
◆まとめ
・文節は「ネ」を入れて区切るとよい
・「補助語」「複合動詞」「ようだ・そうだ」に注意する
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