文法編、今回は補助・被補助の関係です。
◆補助・被補助の関係とは
本来の意味が薄れ、前の文節を補助する文節を「補助語」といい、補助される文節を「被補助語」といいます。この文節相互の関係を「補助・被補助の関係」といいます。
例文で説明しましょう。
【例文】試しに食べてみる。
「みる」が補助語で、前の「食べて」という被補助語を補助しています。
「試しに食べる」でも文は成り立ちます。が、「みる」が「食べて」を後ろから補助することで「試しに~する」という意味を付け加えているのです。
ほかにも次のようなものがあります。
ちょっと毛色が違うのが⑶です。⑶は「ない」が補助語ですが、否定のはたらきをしています。
ア. お金が ない
イ. お金が ほしく ない
アの「ない」は、「ものが存在しない」という意味の形容詞です。イの「ない」は、否定を表す補助形容詞であり、「ほしく」を否定しています。
どちらも形容詞なのですが、アがそれ自身で独立しているのに対して、イは「静かでない」「ほしくない」などと、否定する対象とともに用いられる点で独立性が薄く、補助語とされています。
◆補助・被補助の関係の見分け方と注意点
補助の関係は型が決まっているので、それを覚えてしまったほうがよいでしょう。
《補助・被補助の型》
「 ~て / …。~で / …。~く / ない。」
と覚えましょう。
・歩いて / いる
・読んで / みる
・美しく / ない
補助形容詞の「ない」ときは、被補助語が形容詞の連用形(美しく)なので、「~く/ない」の形で覚えてしまうとよいでしょう。
ただし、助詞の「は・も」などが間にはさまるときもあります。
たとえば、「歩いては / いる」「読んでは / みる」「美しくも / ない」などです。
私は、授業では替え歌を披露して生徒に覚えさせています。
ジブリ映画「崖の上のポニョ」の歌に合わせて歌います。
「崖の上のホジョ」
ほーじょ ほーじょ ほじょ て で くない
下が上をほじょすーるー
ほーじょ ほーじょ ほじょ て で くない
もとのいみが薄れているー ♬
これを歌うと、まず間違いなく覚えてくれますね。
ぜひ歌ってみてください。
練習問題をしてみましょう。
問 次の文の補助・被補助の関係の文節を答えなさい。
① 新発売の ケーキを 食べて
みた。
② この 映画は あまり おもしろく ない。
③ 私は 今日から 中学生で ある。
【解答】
◆まとめ
「 て / …。・で / …。・く / ない。」
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