2022年2月13日日曜日

助動詞「れる・られる」の識別


 




◆助動詞「れる・られる」の識別


助動詞の「れる・られる」は、受身・可能・自発・尊敬という4つの意味があります。




問 次の傍線部の「れる・られる」の意味を答えなさい。

① 友人に呼ばれる

② 五分で行かれる距離。 

③ 弟の身が心配される。 

④ 先生が教室に来られる。   






【解答】
 ① 受身
 ② 可能
 ③ 自発
 ④ 尊敬





以下、順番に「れる・られる」の意味の識別を説明しましょう。




◆助動詞の「れる・られる」の意味の識別

① 受身
・ 動作を受ける相手(「~に」)があるか、補える

② 可能
・「~できる」の意味を表す

③ 自発
・心情語に付き、動作が自然と起こることを表す

④ 尊敬
・尊敬すべき人が動作主である







① 受身

 ・友人に呼ばれる

「受身」とは、他から動作を受ける意味です。

「友人に」動作を受ける相手です。

「友人」から、「呼ぶ」という動作を受けています。


・クラスの代表に選ばた。

これも、動作を受ける相手「クラスの仲間たちによって」などを補うことができます。


こういう「れる・られる」は、「受身」を表しています。




② 可能
 
・五分で行かれる距離。 


「五分で行かれる」は

「五分で行くことができる」という意味です。



こういう「れる・られる」は、「可能」を表しています。




③ 自発

 ・弟の身が心配される。 


これは、「心配する」という心情語につき、「自然と心配してしまう」という意味です。


「自発」とは、

そうするつもりはないのに 自然としてしまう

という意味です。



「走る・投げる」などは、自然と起こりにくい動作です。

それに対して「思う・心配する・感じる」などは自然と起こりやすい動詞です。

こういう動詞を心情語といいます。

心情語は自発表現でよく使われます。





④ 尊敬

・先生が教室に来られる。 


「尊敬」の「れる・られる」は、尊敬すべき人の動作に使い、敬意を表す言い方です。

「来られる」という動作の主体(主語)は、「先生」です。


先生は「尊敬すべき人」です。


もちろん、世のすべての先生が尊敬すべき人かどうかはわかりません。


ただ、ここでいう「尊敬すべき人」とは、

表現のうえで敬意を払っている相手

ということです。


このように、「尊敬すべき人」「敬意をはらう相手」の動作に使われる「れる・られる」は「尊敬」を表しています。



助動詞「れる・られる」は、意味が4つもあります。

ただ、見分け方も分かりやすいためか、試験でよく問われます。



識別方法をしっかり学習しておきましょう。




◆助動詞「れる・られる」の識別

①【受身】動作を受ける相手(~に)がある

②【可能】「~できる」という意味

③【自発】心情語について自然とする動作につく

④【尊敬】尊敬すべき人の動作につく






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