前回は、まぎらわし同訓異字の漢字の見分け方をご説明しました。
前回リンク 同訓異字の漢字の見分け方
今回は入試によく出る同訓異字漢字の覚え方の具体的例をご紹介します。
◆注意すべき同訓異字BEST5
第1位 はかる(計る・量る・測る・図る・謀る・諮る)
第2位 つとめる(努める・勤める・務める)
第3位 おさめる(修める・治める・収める・納める)
第4位 おかす(犯す・侵す・冒す)
第5位 たつ(断つ・絶つ・裁つ)
上記の同訓異字は間違えやすいし、高校入試・大学入試によく出る注意すべきものです。
う~ん、ややこしい!!
まずは、一番やっかいな第1位「はかる」から、その覚え方を説明してゆきます。
第1位 はかる
「はかる」は、「計る・量る・測る・図る・謀る・諮る」と漢字も多いし、意味も微妙に似ているので、ひじょうに間違えやすいものです。
以下、「数字に関係するもの」と「考えに関係するもの」の二つのグループに分け、覚え方をご紹介します。
◆数字に関係するグループ
⑴ 計る
【意味】もとは「時間や数などを数える」という意味。
【例文】時間を計る。タイミングを計る。
【覚え方】時間や数字の操作と関係する「時計・計算」で覚える。
※「計画」などの「考える」意味は転じてできたもの。
⑵ 量る
【意味】もとは「重さや容積を調べる」という意味。
【例文】体重を量る。体積を量る。
【覚え方】重さに関係する「重量」で覚える。
※「推量」などの「推しはかる」意味は転じてできたもの。
⑶ 測る
【意味】もとは「水の深さを調べる」という意味。「高さ・長さ・広さを調べる」という意味もある。
【例文】池の深さを測る。
【覚え方】いろいろなものの数量を調べる「測定」で覚える。
※数量を調べるもののなかで、重さ・容積だけが「量」、その他は「測」と覚えるとよい。
※「推測」などの「押しはかる」意味は転じてできたもの。
◆考えや意向に関係するグループ
⑴図る
【意味】「あることが実現するように考え目指す」という意味。
【例文】問題の解決を図る。
【覚え方】考えや意志に関係する「意図(イト)」で覚える。
⑵ 謀る
【意味】「よくないことを計画する」という意味。
【例文】暗殺を謀る。
【覚え方】人をだますはかりごという「謀略(ボウリャク)」で覚える。
⑶ 諮る
【意味】「相談し意見を求める」という意味。
【例文】審議会に諮る。
【覚え方】質問に答える組織である「諮問機関(シモンキカン)」などの「諮問」で覚える。
※で書いたように、もとの意味から転じた意味がまぎらわしく注意が必要です。
ただ、そういった他の漢字も使う意味のものは入試では問われません。
答えが複数考えられる問題を出題すると、いろんなところからクレームが来てしまいますから。
違いがはっきりわかるもとの意味を覚えましょう。
長くなったので、第2位以下は次回にまわしますね。
では!
◆参考資料
『標準国語辞典 第七版』旺文社
『例解新漢和辞典 第四版』三省堂
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