2022年2月25日金曜日

助動詞「そうだ」の識別


 ◆助動詞「そうだ」の識別


助動詞の「そうだ(そうです)」は、

「伝聞」と「様態」の2つの意味があります。





問 次の傍線部の「そうだ」の意味を答えなさい。

① 天気予報によると明日は雨が降るそうだ。 

② そろそろ桜が咲きそうだね。





【解答】
① 伝聞
② 様態




以下、順番に助動詞「そうだ」の識別を説明していきます。




◆助動詞「そうだ」の意味

① 伝聞
・他から聞いたという意味

② 様態
・そういう様子だという意味








① 伝聞

・ 天気予報によると明日は雨が降るそうだ 


「伝聞」とは、他から聞いた情報であることを表します。

例文では、自分の意見や体験にもとづく情報ではなく、

天気予報で聞いた情報であることを表しています。


このように、他からくから「伝聞」なのです。




② 様態

・そろそろ桜が咲きそうだね。


「様態」とは、そういう様子であることを表します。

例文では、

「見たところ もうすこしで桜が咲く」という様子

を表しています。


子や状を表すので、「様態」と覚えましょう。







◆「そうだ」の接続

「そうだ」は、表す意味によって接続が違います。


【伝聞】
活用語の終止形につく

・新しい家が建つそうだ。

・彼は帰りが遅いそうだ。

・試験の結果が心配だそうだ。




上の例文の「建つ」「遅い」「心配だ」は、すべて終止形です。

終止形とは「。」がつき、言い切る形でした。

「建つ。遅い。心配だ。」というように、すべて「。」がつきますね。


「。」がつく終止形につくのが「伝聞」


と考えるとよいでしょう。







【様態】
①動詞型活用の連用形につく

②形容詞と形容動詞の語幹につく

③助動詞「ない」「たい」の語幹相当部分につく






①・雨が降りそうだ。

 ・事件が起きそうだ


②・このお菓子がおいしそうだ。

 ・じつに元気そうな様子だ。


③・彼は知らそうだ。

 ・彼は話しそうな様子だ。




①の「降り」「起き」は、動詞の連用形です。

②の「おいし」は、形容詞「おいしい」、「元気」は形容動詞「元気だ」の語幹です。

③の「な」は打消の助動詞「ない」、「た」は希望の助動詞「たい」の語幹です。



②のように様態の「そうだ」は、形容詞の語幹につきますが、「ない」「よい」にかぎり、「なそうだ」「よそうだ」というように、語幹と「そうだ」の間に「さ」が入ります。



「彼は行かなさそうだ」という例がときどき見られます。

これは、打消の助動詞の「ない」の語幹に「さ」をつけているので間違いです。

形容詞の「ない」「よい」だけに「さ」がつくのです。

気をつけましょう。




以上のように接続はとてもまぎらわしいので、


・伝聞の「そうだ」は終止形(「。」がつく形)につく

様態の「そうだ」はそれ以外につく


と覚えるとよいでしょう。






◆助動詞「そうだ」の識別

①【伝聞】
 ・他から聞いたという意味
 ・終止形(「。」がつく形)につく

②【様態】
 ・そういう様子だという意味






以上、助動詞「そうだ」の識別でした。




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