2021年6月10日木曜日

歴史的かなづかいの読み方

 


◆歴史的かなづかい

古文は平安時代中期までの日本語をもとにした「歴史的かなづかい」というかなづかいで表記されています。これを理解しないと読む(発音する)ことができません。

まずはその仕組みを理解しましょう。

 


◆歴史的かなづかいの読み方

⑴ 語頭(ことばのはじめ)にない

「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「ワ・イ・ウ・エ・オ」と読みます。 

【例】

「い」は「イ」、「こ」は「コ」と読みます。

 


⑵ ワ行の「ゐ・ゑ・を」は「イ・エ・オ」と読みます。

【例】

ど」は「ド」、「こ」は「コ」と読みます。


 

⑶ ダ行の「ぢ・づ」は「ジ・ズ」と読みます。

【例】

「つい」は「ツイ」、「い」は「イ」と読みます。


 

⑷ 「くゎ・ぐゎ」は「カ・ガ」と読みます。

【例】

くゎんぶつ」は「ンブツ」、「ぐゎいぶん」は「イブン」と読みます。

 

 

⑸ 特定の語の「む」は「ン」と読みます。

【例】

「行か」は「イカ」、「雨な降る」は「アメナフル」と読みます。

 


⑹ 「au(あう)・iu(いう)・eu(えう)」は「oo(オー)・yuu(ユー)・yoo(ヨー)」と読みます。

【例】

「あうさか」は「オーサカ」、「いうなり」は「ユーナリ」、「えうなし」は「ヨーナシ」と読みます。

 

※「オー・ユー・ヨー」などの長音は、現代仮名づかいでは「おう・ゆう・よう」と書くので気をつけましょう。

 

 

 

 

練習してみましょう。

問題 次のことばの読みを現代かなづかいで書きなさい。

①あはれ  ②くゎじ  ③もみぢ  ④ゑがほ  ⑤けふ 

 

解答

①あわれ  ②かじ  ③もみじ  ④えがお  ⑤きょう

 

解説

①語頭にない「は」を「わ」にします。

②「くゎ」を「か」にします。

③ダ行の「ぢ」をザ行の「じ」にします。

④ワ行の「ゑ」をア行の「え」に、語頭にない「ほ」を「お」にします。

⑤まず、語頭にない「ふ」を「う」にします。すると「けう」になります。「けう」は「keu」ですから、「eu」を「yoo」にします。すると「kyoo(キョー)」となります。現代かなづかいではオ段長音は特定の場合以外は「う」で表記するので「きょう」となります。

 

まずは、以上の決まりを覚えてしまいましょう。




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