◆歴史的かなづかい
古文は平安時代中期までの日本語をもとにした「歴史的かなづかい」というかなづかいで表記されています。これを理解しないと読む(発音する)ことができません。
まずはその仕組みを理解しましょう。
◆歴史的かなづかいの読み方
⑴ 語頭(ことばのはじめ)にない
「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「ワ・イ・ウ・エ・オ」と読みます。
【例】
「いは」は「イワ」、「こひ」は「コイ」と読みます。
⑵ ワ行の「ゐ・ゑ・を」は「イ・エ・オ」と読みます。
【例】
「ゐど」は「イド」、「こゑ」は「コエ」と読みます。
⑶ ダ行の「ぢ・づ」は「ジ・ズ」と読みます。
【例】
「ついぢ」は「ツイジ」、「いづ」は「イズ」と読みます。
⑷ 「くゎ・ぐゎ」は「カ・ガ」と読みます。
【例】
「くゎんぶつ」は「カンブツ」、「ぐゎいぶん」は「ガイブン」と読みます。
⑸ 特定の語の「む」は「ン」と読みます。
【例】
「行かむ」は「イカン」、「雨なむ降る」は「アメナンフル」と読みます。
⑹ 「au(あう)・iu(いう)・eu(えう)」は「oo(オー)・yuu(ユー)・yoo(ヨー)」と読みます。
【例】
「あうさか」は「オーサカ」、「いうなり」は「ユーナリ」、「えうなし」は「ヨーナシ」と読みます。
※「オー・ユー・ヨー」などの長音は、現代仮名づかいでは「おう・ゆう・よう」と書くので気をつけましょう。
練習してみましょう。
問題 次のことばの読みを現代かなづかいで書きなさい。
①あはれ ②くゎじ ③もみぢ ④ゑがほ ⑤けふ
解答
①あわれ ②かじ ③もみじ ④えがお ⑤きょう
解説
①語頭にない「は」を「わ」にします。
②「くゎ」を「か」にします。
③ダ行の「ぢ」をザ行の「じ」にします。
④ワ行の「ゑ」をア行の「え」に、語頭にない「ほ」を「お」にします。
⑤まず、語頭にない「ふ」を「う」にします。すると「けう」になります。「けう」は「keu」ですから、「eu」を「yoo」にします。すると「kyoo(キョー)」となります。現代かなづかいではオ段長音は特定の場合以外は「う」で表記するので「きょう」となります。
まずは、以上の決まりを覚えてしまいましょう。
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