◆副詞
1.副詞とは?
①自立語で、活用がない。
② 主に用言を修飾する。
③状態や程度などを表す。
① 状態の副詞
主に動詞を修飾し、状態(どのようであるか)を説明するもの。
【例】
ときどき遊びに来る。
犬がワンワンとなく。
牛がのろのろ歩く。
②程度の副詞
主に用言を修飾し、程度(どれくらいであるか)を説明するもの。
【例】
たいへんうれしい。
かなり危険だ。
※程度の副詞は連用修飾語となりますが、連体修飾語になるものもあります。
【例】
ちょっと右側を歩く。
かなり前の出来事だ。
③ 陳述の副詞
あとに一定の決まった表現がくるもの。
【例】
たぶん雨が降るだろう。
まるで夢のようだ。
もし成功したら、
※「たぶん」は「だろう」、「まるで」は「ようだ」、「もし」は「たら」と呼応し、ともに用いられます。
※陳述の副詞は、叙述の副詞、呼応の副詞とも呼ばれます。
2.副詞の注意点
副詞は用言を修飾するため、同じ働きをする次の語と紛らわしいので注意が必要です。
① 形容詞の連用形
【例文】
・ゆっくり走る。
・はやく走る。
「ゆっくり・はやく」は、どちらも「走る」を修飾する連用修飾語です。
しかし、「ゆっくり」は副詞、「はやく」は形容詞の連用形です。
② 形容動詞の連用形
【例文】
・黙々と勉強する
・静かに勉強する
「黙々と・静かに」は、どちらも「勉強する」を修飾する連用修飾語です。
しかし、「黙々と」は副詞、「静かに」は形容動詞の連用形です。
このように、品詞は違うのに、文法的働きは同じであるものには注意が必要です。
◆見分け方
これらの語を見分けるには、活用(語形変化)があるかないかに注目するとよいでしょう。
形容詞と形容動詞には活用がありますが、副詞には活用がありません。
たとえば、
形容詞の「はやく」は、
はやい(。)
はやかっ(た)
はやけれ(ば)
などのように──線部の形が変わっています。このように語形が変化するのを活用といいます。
形容動詞の「静かに」にも活用があります。
静かだ(。)
静かだろ(う)
静かだっ(た)
静かな(時)
というように──線部が活用しています。
これらにたいして副詞の「ゆっくり」には活用がありません。
◆まとめ◆
1. 副詞と形容詞・形容動詞は同じ働きがあり紛らわしい。
2. 活用があれば形容詞・形容動詞、活用がなければ副詞と見分ける。
以上、副詞でした。